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Channel: 機能の黒板みたび
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アルター 1/8 前川みく *[Asterisk] Ver.

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アルターの1/8スケールフィギュア、「前川みく *[Asterisk] Ver.」を少し撮ってみました。アイドルマスター・シンデレラガールズから、解散芸が持ちネタの漫才コンビ アイドルユニット“*”(Asterisk)の、みくにゃんです。


Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ











Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8 AEJ




Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ



総質量 134g、ベース直径 10cm、ベース厚さ 6mm、ベースを含む展示時全高 20.5cm、展示に要するスペースはおよそ11cm四方です。どのアングルから見ても可愛さいっぱい、しかもアルター製品の例に漏れず品質面での問題もなく、購入にも不安はありませんでした。目の光沢が強くて光源をよく反射するので撮影には円偏光フィルターを使いましたが、睫部分の反射には最後の最後まで悩まされました。

このみくにゃんはアスタリスク・バージョンなので、アスタリスクの付いたレンズを使ってみましたw



OLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅡ(ISO 200, 絞り優先AE)
OLYMPUS Capture

Carl Zeiss/富岡光学 Tessar T* 45mm F2.8 AEJ
Carl Zeiss/京セラオプテック Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ

GITZO CREMAILLERE2 G212
Manfrotto 410
FUJIFILM VARI-ANGLE GA


テッサーというレンズ構成の来歴はあっちこっちにこれでもかと腐るほど書いてあるので省略。昭和の初めに写真の道に入った古い写真マニアにツァイスのテッサーの名を口にするときに最敬礼せんばかりの敬意を表される方を見かけたことがありますが、3群4枚のこのレンズは他にライツのエルマーやコダックのエクター、あるいはオリンパスの初代ペンのD.Zuiko 28mm F3.5など、銘玉といわれるレンズが数多くあります。しかしながらレンズ構成がたった4枚なので収差の補正にはトレードオフが付きまとい、一般的には多くの場合、中間画角での非点収差が大きいという特徴を持ちます。

ツァイスがヤシカと提携して一眼レフのCONTAXを送り出した当時、ヤシカとツァイスは年2回の定例連絡会議を開いていて、その席上でヤシカ側が提案したのが、今回使ったTessar T* 45mm F2.8 AEJです。ヤシカの提案を受けてツァイスが設計し富岡光学で生産されたこのレンズは、従前のテッサータイプのレンズとは異なり、像面湾曲を抑え非点収差を抑え込む設計が施されました。その代償として、このレンズは非常に大きな球面収差を持つことになり、絞り操作による焦点移動が大変に大きなレンズになりました。アサヒカメラ1983年1月号によるとF2.8の開放から2段絞ったF5.6までの焦点移動は0.1mm、3メートルちょうどの距離にある被写体に開放でピントを合わせてからF5.6に絞ると、ピントが3メートル45センチの位置に移動すると解説されています。このAEJのテッサーは、絞りリング上ではF8が緑で示され、ピントリングにはおよそ4mの位置に緑の逆三角マークがあります。両方ともこの緑の位置にセットして常焦点とすることで速写性が得られ、小型で携帯性にも優れることからスナップ用途に最適なレンズという位置づけです。

Tessar T* 45mm F2.8 AEJは1982年に¥19,000で発売されましたが人気がなく、数年を経ずして生産が打ち切られました。実はテッサータイプは1960年代から70年代半ば過ぎ頃まで、主に国産コンパクトカメラで自動露出の電子回路にかかるコストを吸収する目的で乱用されて、さらにストロボの内蔵に伴うコストの増加に対応するしわ寄せで硝材のグレードも下げられ、年を追うほどに画質が落ちていきました。その影響で“テッサー=安かろう悪かろう”の印象が広がっていて、顧客が寄りつかない状況になっていたようです。

ところが、生産打ち切りから程なくしてパンケーキ・レンズのブームが到来。このレンズも中古が人気化して、一時は5万円の価格が付いたといいます。また、コンパクトカメラの世界ではAFの実用化に伴い、像が甘いとピントが合わないとクレームが付けられかねないため、硝材のグレードを上げたり、テッサータイプを放棄してレンズの構成枚数を増すなどの対策が採られるようになって、テッサータイプの悪評も忘れられていったようです。

1992年秋、シャッタースピード優先AE・プログラムAEにも対応したTessar T* 45mm F2.8 MMJが¥37,000で発売されました。リニューアルに当たって光学設計も見直され、画像中心から半画角19度近くまで非点収差が完全に抑え込まれました。その反動で球面収差はAEJよりさらに増大、レンズ外縁での補正過剰量がAEJの+0.08mmから+0.14mmへ拡大して、F2.8の開放から2段絞ったF5.6までの焦点移動は0.14mm、3メートルちょうどの距離にある被写体に絞り開放でピントを合わせてからF5.6に絞ると、ピントは3メートル80センチの位置に移動すると、アサヒカメラ1993年6月号にあります。

このレンズで「被写界深度の浅い絞り開放状態の方が、よりシビアなピント合わせが可能なのは確か」などとのたまうプロの言葉を盲信すると、いつまで経ってもピンぼけばかり量産し続ける羽目に陥ります。ミラーレス機登場以降のオールドレンズ界隈(ミラーレス機登場以前には「オールドレンズ」などという呼び方は存在しませんが)では、プロが書いたものほど信憑性が乏しい傾向にあるのですが、これはとても不幸なことだと思います。




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