マクロエルマリートR 60mm F2.8は、フィルターアタッチメントサイズ60mm(シリーズⅧ)でPAクルタゴン35mm F4と兼用のフード12514を付けるピン2本が飛び出しているタイプを1st Version(またはType 1)、フィルターアタッチメントサイズが55mmのタイプを2nd Version(またはType 2)とするのが通例で、レンズ構成は当初から5群6枚です。
ところが、検索してみると、「I Love my Leica(デジタル、時々アナログ)」や「ズイコー-フォーサーズ あれこれ + FX」など、第1・第2・第3バージョンの三つに分けたうえで第1・第2バージョンはレンズ構成が4群5枚とする噴飯物のデマがほぼ日本国内限定で流れており、調べてみたところ、このデマの発信源は朝日ソノラマ・中村信一著・クラシックカメラ選書27『R型ライカのすべて』であることが判りました。不思議なことに、この書の前の版である同社・同著者の現代カメラ新書別冊 35㍉一眼レフシリーズNo.18『R型ライカのすべて』(ISBN4-257-10023-0 C0272 P850E, 1990年3月30日初版・同6月10日2版)ではバージョン分けについて言及がなく、5群6枚のみとされています。
マクロエルマリートR 60mm F2.8はアサヒカメラ1975年1月号のニューフェース診断室で1st Versionのシリアルナンバー2622780の個体が測定されており、その記事は朝日新聞社『アサヒカメラ ニューフェース診断室・ライカの20世紀』(ISBN4-02-272132-4 C9472 ¥1800E)に再録され、測定データは朝日ソノラマ・クラシックカメラ選書23『レンズテスト[第2集]』(ISBN4-257-12033-9 C0072 ¥1800E)にも収録されていますが、両書ともに5群6枚のレンズ構成図を掲載しています。この計測とレンズ構成図の作図は通商産業省工業技術院機械技術研究所(当時)の深堀和良氏によります。
このレンズは一般に変形ガウスタイプとされていますが、小倉磐夫氏と中川治平氏はそれぞれ『アサヒカメラ ニューフェース診断室・ライカの20世紀』巻末p.219と『レンズテスト「第2集]』p.97で、
先ほど4群5枚説について「噴飯物のデマ」と記しましたが、なぜ噴飯物かというと、デマであることが容易に見破れるからです。ライカはどのブランドよりも珍重して大切に扱うユーザーが多いブランドで、その扱いは本体に留まらず、元箱にまで及びます。つまり、ライツ製品は元箱付きの中古出物に遭遇する可能性が他ブランドより高く、しかもこのレンズの元箱にはシリアルナンバーが貼付され、レンズ構成図が印刷されているのです。従って、元箱を目にした途端に4群5枚説は即座に化けの皮が剥がれ簡単に全否定されます。マクロエルマリートR 60mm F2.8に4群5枚の個体が存在するとすれば、それはおそらく中のレンズが一枚抜き取られたジャンクです。
ところが、検索してみると、「I Love my Leica(デジタル、時々アナログ)」や「ズイコー-フォーサーズ あれこれ + FX」など、第1・第2・第3バージョンの三つに分けたうえで第1・第2バージョンはレンズ構成が4群5枚とする噴飯物のデマがほぼ日本国内限定で流れており、調べてみたところ、このデマの発信源は朝日ソノラマ・中村信一著・クラシックカメラ選書27『R型ライカのすべて』であることが判りました。不思議なことに、この書の前の版である同社・同著者の現代カメラ新書別冊 35㍉一眼レフシリーズNo.18『R型ライカのすべて』(ISBN4-257-10023-0 C0272 P850E, 1990年3月30日初版・同6月10日2版)ではバージョン分けについて言及がなく、5群6枚のみとされています。
マクロエルマリートR 60mm F2.8はアサヒカメラ1975年1月号のニューフェース診断室で1st Versionのシリアルナンバー2622780の個体が測定されており、その記事は朝日新聞社『アサヒカメラ ニューフェース診断室・ライカの20世紀』(ISBN4-02-272132-4 C9472 ¥1800E)に再録され、測定データは朝日ソノラマ・クラシックカメラ選書23『レンズテスト[第2集]』(ISBN4-257-12033-9 C0072 ¥1800E)にも収録されていますが、両書ともに5群6枚のレンズ構成図を掲載しています。この計測とレンズ構成図の作図は通商産業省工業技術院機械技術研究所(当時)の深堀和良氏によります。
このレンズは一般に変形ガウスタイプとされていますが、小倉磐夫氏と中川治平氏はそれぞれ『アサヒカメラ ニューフェース診断室・ライカの20世紀』巻末p.219と『レンズテスト「第2集]』p.97で、
絞りの後ろにメニスカスレンズを置くクセノタータイプ(小倉磐夫)、
クセノタータイプの後ろに正メニスカスレンズを加えた5群6枚構成(中川治平)と、お二人ともクセノタータイプとする見方をとられています。
先ほど4群5枚説について「噴飯物のデマ」と記しましたが、なぜ噴飯物かというと、デマであることが容易に見破れるからです。ライカはどのブランドよりも珍重して大切に扱うユーザーが多いブランドで、その扱いは本体に留まらず、元箱にまで及びます。つまり、ライツ製品は元箱付きの中古出物に遭遇する可能性が他ブランドより高く、しかもこのレンズの元箱にはシリアルナンバーが貼付され、レンズ構成図が印刷されているのです。従って、元箱を目にした途端に4群5枚説は即座に化けの皮が剥がれ簡単に全否定されます。マクロエルマリートR 60mm F2.8に4群5枚の個体が存在するとすれば、それはおそらく中のレンズが一枚抜き取られたジャンクです。